弁護士に聞いた! 離婚を有利に進めるために知っておくべきこと【離婚にかかかる費用、慰謝料編】

今回お話を伺った、双栄法律事務所・代表弁護士の田中淳先生

幸せそうに見えても実は離婚を思い悩んでいる、という人は少なくありません。
離婚の原因はいろいろありますが、パートナーの浮気や不倫が原因で離婚を考えている人は、離婚をするまでに知っておくべきことがたくさんあります。離婚を急ぎ、相場よりも少ない金額で示談をしたために経済的な苦労が増えた……なんていうことも起きかねません。
今回は、双栄法律事務所・代表弁護士の田中淳先生に、離婚をする時にすべきことや、裁判、慰謝料の相場などを教えていただきました。

裁判になりうることを想定して行動を

パートナーの浮気や不倫によって離婚を考えている場合、どのような行動を取るべきでしょうか?

実際に離婚するかどうかは別としても、裁判になりうることを想定して行動する必要があります。そのため、「パートナーの浮気や不倫によって離婚を考えている」と言うのであれば、そのパートナーの浮気や不倫の証拠を集めておく必要があります。仮に裁判にならなかったとしても、証拠がきちんとそろっていれば、交渉を有利に進めることができますね。

証拠とは具体的にどのようなものでしょうか?

この場合に考えられる証拠としては、浮気や不倫をうかがわせるメールやLINEのやりとり、携帯電話に保存されている写真、2人で泊まったことをうかがわせるホテルの領収書といったところでしょうか。
また、証拠を集めるのが困難な場合は、探偵会社にパートナーの調査を依頼することを検討してもいいと思います。

法律が関わる難しい事柄も、わかりやすく説明してくれる田中先生

探偵事務所と法律事務所は連携していると聞きましたが……

たいていは探偵事務所が懇意にしている法律事務所があり、依頼者の希望によりお互い案内し合うという関わり方をしていると思います。

なるほど。では探偵事務所、法律事務所、どちらから相談しても安心ですね。ところで、証拠集めのほかに、すべきことはありますか?

そうですね、決断でしょうか。一番重要なのは「離婚するかどうか」あなた自身が決断するということだと思います。弁護士は、離婚に際しての法的なアドバイスをする存在であって、あなたが離婚すべきかどうかを決めることはできません。
「最終的な決断はあなた自身が下す」ということをぜひ忘れないで欲しいと思います。

証拠集めの段階で、パートナーの不倫相手に電話や面会をして直接文句や苦情を言うことで、離婚の際に自分が法的に不利になることはありますか?

不倫相手に電話や面会をすること自体は違法ではありませんので、そのこと自体がすぐに不利になる、ということはありません。
しかし、電話や面会の際につい感情的になってしまい、不倫相手を怖がらせるようなものの言い方をしてしまった、などという話も聞きます。過去には警察が出動する騒ぎとなったケースもあり、一体どちらが被害者なのか、わからなくなってしまいますね。
いずれにしても、不倫相手に電話や面会をする場合には、冷静に話をする姿勢が大切です。

離婚するまでにかかる期間、費用は?

最終的に離婚を決断してから、離婚が成立するまでにどのぐらいの期間がかかるのですか?

協議離婚(調停や裁判をせず、離婚届を役所に提出して離婚する)の場合、それほど時間がかからないことが多いと思います。
調停離婚の場合、およそ月に1回程度で調停の期日が設けられ、各期日において夫婦の双方が家庭裁判所に出廷して話し合いをすることになります。事案によって異なりますが、およそ3回か4回程度は調停の期日が設けられ、この間に話し合いがつけば調停成立となります。なので、調停離婚の場合に要する期間は、およそ3~4か月程度といったところでしょうか。

調停が不成立で終わった場合は?

家庭裁判所に離婚訴訟を提起することになりますが、裁判離婚の場合については、事案によって要する期間はかなり異なります。早いものだと半年くらいで終わりますが、1年以上かかったというケースもあります。
また裁判離婚の場合、判決に不服があれば、不服申立(控訴)することもできますので、そうなればさらに長い期間を要することになります。
私の経験上ですが、離婚については「お互いがどの程度譲歩できるか」によってその期間が決まるといえると思います。

裁判の有無で、離婚の費用はどれくらい変わりますか?

離婚の場合、原則としていきなり裁判を提起することはできず、調停から始める必要があります(調停前置主義)。ですので、離婚については、調停の段階で終わる場合と、調停を経て裁判となった場合に大別できると思います。
弁護士費用については、法律事務所ごとに料金体系が異なりますので、各法律事務所に直接問い合わせていただくのがよいかと思いますが、「事件を依頼するときに支払う着手金」と「事件終了後に支払う報酬」の2本立てになっている法律事務所が多いと思います。着手金や報酬については、依頼した事件ごとに支払う法律事務所が多いのではないでしょうか。
調停と裁判とでは事件が異なりますので、調停の着手金・報酬と、裁判の着手金・報酬をそれぞれ支払う必要がある法律事務所が多いと思われます。
法律事務所ごとに料金体系が異なる関係上、断定的なことはいえませんが、裁判になった場合にはそれだけ多くの費用がかかってしまう、ということだけは言えると思います。

慰謝料の定義と、その相場とは?

離婚の際の慰謝料について教えてください。

離婚の際の慰謝料は、婚姻破綻の原因を作った配偶者(有責配偶者)がもう一方の配偶者に対して支払うものです。
要するに、有責配偶者は、婚姻破綻の原因を作ったことにより、もう一方の配偶者に精神的な苦痛を与えたのだから、その苦痛を慰謝(なぐさめる)するためにお金を払いなさいと言うことです。
この慰謝料請求については、民法709条が請求の根拠となっています。

慰謝料が請求できる場合とできない場合について教えてください。

慰謝料を請求できる場合とは、簡単にいえば「相手方配偶者によって、婚姻関係を破綻させられたといえる場合」になります。まず、離婚の理由がご自身にある場合には、慰謝料の請求はできないことになります。
また、離婚の理由が、性格の不一致(価値観の相違)という程度の場合も、慰謝料の請求はできません。つまり、「離婚の理由=客観的に見て婚姻関係を破綻させると認めるに足る事由」と言える必要があるということになります。不倫、DVなどが代表的な例です。
さらに、不倫のケースで言うと、不倫の前に既に婚姻関係が破綻していたといえる場合には慰謝料の請求はできません。それは、不倫が婚姻を破綻させたと言えないからです。また、不倫相手が結婚していると知らずに関係を持った場合にも、やはり慰謝料の請求はできません。

それでは、慰謝料の相場はどのぐらいですか?

個々のケースによってその金額もまちまちというのが正直なところです。過去の裁判例では、おおよそ100~300万円程度の範囲で認められるケースが多いようです。ただし、300万円が上限というわけではなく、300万円以上の金額が認められたケースもあります。

浮気または不倫相手から慰謝料を取ることは可能ですか?

可能です。不倫は「あなたの配偶者と不倫相手」が共同して行うものであって、その2人が共同して婚姻関係を破綻させたということになります。これを「共同不法行為」といいます。
この共同不法行為の場合、「あなたの配偶者」と「不倫相手」の両方に慰謝料を請求できます。共同不法行為者(「あなたの配偶者」と「不倫相手」)が負うべき責任(債務)を、「不真正連帯債務(ふしんせいれんたいさいむ)」といいます。要するに、「2人でやった不貞行為に対し、2人で連帯して責任を負え」ということです。どちらか一方に対してだけ慰謝料を請求しても構いません。

例えば、両方に慰謝料300万円を請求するとします。「あなたの配偶者」と「不倫相手」のそれぞれに300万円を請求することは可能です。しかし、実際に受け取れる金額はあくまで300万円で、600万円を受け取れるわけではないので要注意です。

連帯債務の場合、連帯債務者各自に全額である300万を請求することは可能ですが、仮に連帯債務者の一方が請求額全額300万円を弁済した場合、もう一方の連帯債務者に対する請求は弁済により消滅したことになり、請求の根拠を失うからです(連帯債務の絶対効といいます)。

お金で言うと、慰謝料のほかに財産分与があると思います。これはどのように算出されるのでしょうか?

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築いた財産(共有財産)を離婚に際して夫婦で分けるという、いわば精算的な手続きをいいます。
財産分与の対象となるのは共有財産であり、特有財産(夫婦の一方が婚姻前から有していた財産など)は原則として対象とはなりません。もっとも、特有財産であっても、夫婦の一方がその相手方の特有財産の減少防止に貢献したと認められる場合には、特有財産の一部についても分与を認める、との裁判例があります。
また、財産分与の割合についてですが、財産形成や維持への貢献度によって決するのが原則です。つまり、貢献度が高い方が、より多くの分与を受けるということになります。貢献度が明らかではないときは、その貢献度は夫婦で等しいものと推定されます。

いろいろなことを知らないと有利に離婚することが難しいですね。やはり弁護士を立てた方が有利なのでしょうか?

離婚に限りませんが、法律の世界は「知らなかった」ではすまないという側面があり、こうした不利益を被らないためには、法律に精通している弁護士を立てて対処する必要があるかと思います。
また、離婚については、関係の近い者同士が敵味方に分かれて争うという特徴があることから、双方が感情的になりやすいという側面があります。
双方ともに人間ですから感情的になってしまうのもやむを得ないところですが、感情の赴くままにものごとを進めてもうまくいかないのも事実です。こうした感情的な対立をなるべく避けるためにも、弁護士を立てて対処された方がいいのではないかと思います。

まとめ

弁護士に聞いた! 離婚を有利に進めるために知っておくべきこと【養育費編】では、引き続き、田中淳先生に離婚を有利に進める際の養育費について教えていただきます。後編も続けてご覧ください。

双栄法律事務所 代表弁護士 田中 淳

離婚、借金問題、交通事故、相続・遺言、労働問題、刑事事件、企業法務など個人から法人まで様々な案件に対応できる法律事務所。東京・福岡での勤務経験もあり、弁護士としての経験が豊富。一人一人、環境や状況が違い、悩みの捉え方も違うという認識のもと、依頼者に寄り添う形で問題解決にあたる。初回相談料は、無料。愛知県弁護士会所属。

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